足首の捻挫、痛みが減ったら終わり?再発を防ぐために確認したいこと

足首の捻挫は、スポーツでよくみられるケガのひとつです。

腫れや痛みが落ち着いてくると、

「もう走っても大丈夫かな?」
「痛くなければ治ったということ?」
「部活に戻っていい?」

と思う方も多いのではないでしょうか。

しかし、足首の捻挫からスポーツへ戻るときは、痛みだけを基準に判断するのは十分ではありません。

国際的な専門家によるコンセンサスでは、スポーツ復帰を考える際には、痛みだけでなく、足首の動きや筋力、バランス能力、本人の安心感、ジャンプや切り返しなどのスポーツ動作まで確認することが提案されています。

「痛くない=元通り」とは限りません

足首を捻挫すると、靱帯などの組織だけでなく、その後の足首の動きや筋力、バランス能力などに問題が残ることがあります。

日常生活で歩けるようになったとしても、

「片足で安定して立てるか」
「ジャンプして着地できるか」
「素早く方向転換できるか」

となると、まだ左右差を感じることがあります。

そのため、日常生活に戻れる状態と、スポーツに戻れる状態は同じではありません。

 

スポーツ復帰では何を確認する?

足関節捻挫後のスポーツ復帰について、国際的な専門家によって提案されたのが「PAASS」という考え方です。

確認する項目は大きく5つあります。

① Pain:痛み

スポーツ中の痛みだけでなく、その後や翌日まで含めて状態を確認します。

② Ankle impairments:足首の機能

関節の動く範囲、筋力、持久力、パワーなどを確認します。

③ Athlete perception:本人の感覚

「また捻りそうで怖い」「足首が不安定な感じがする」といった本人の感覚も重要な評価項目です。

④ Sensorimotor control:バランス・感覚

片足でのバランスや、動きながら身体をコントロールできるかなどを確認します。

⑤ Sport/functional performance:スポーツ動作

ジャンプ、着地、切り返し、競技特有の動きなどを確認し、最終的には通常の練習を行えるかをみていきます。

重要なのは、「受傷から○週間経ったから復帰」という時間だけの判断ではないことです。

なお、PAASSは「何点以上なら必ず復帰できる」という基準ではありません。何を確認すべきかを整理したフレームワークです。

リハビリは痛みを取るためだけではありません

「もう痛くないからリハビリは必要ない」

と思うかもしれません。

しかし、急性足関節捻挫後の運動療法を調べたシステマティックレビュー・メタ解析では、運動を取り入れたリハビリテーションは通常ケアと比較して、12か月時点の再受傷を減らす方向の結果が報告されています。

一方で、どの運動を何回・何週間行えば最適なのかまでは、現在の研究から一律には決められません。

そのため、状態に合わせて、

足首を動かす
→ 筋力を戻す
→ バランス能力を確認する
→ ジャンプ・着地
→ 切り返し
→ 競技動作

と段階的に負荷を上げていくことが基本になります。

 

サポーターをしていれば大丈夫?

サポーターやテーピングも選択肢のひとつですが、それだけですべてを補えるわけではありません。

アスリートを対象としたシステマティックレビュー・メタ解析では、ブレースとバランストレーニングのどちらも足関節捻挫の発生リスクを低下させたと報告されています。

つまり、

「サポーターかリハビリか」ではなく、必要に応じて組み合わせて考える

という方が実際的です。

競技、過去の捻挫歴、足首の状態などによっても判断は変わります。

一度捻挫した足だからこそ、その後が大切です

足首の捻挫は、腫れや痛みが減ると「治った」と感じやすいケガです。

しかし、スポーツ復帰では、

痛み・可動域・筋力・バランス・本人の安心感・実際のスポーツ動作

などを総合して確認することが大切です。

「歩けるから大丈夫」から、いきなり全力の練習に戻すのではなく、段階を踏んで競技動作へ戻していきましょう。

池上7丁目整骨院では、足関節捻挫などのスポーツ外傷について、ケガをした直後だけでなく、スポーツ復帰までの状態確認や運動についてもご相談いただけます。

「スポーツ障害・スポーツ外傷」

参考文献

  1. Smith MD, et al. Return to sport decisions after an acute lateral ankle sprain injury: introducing the PAASS framework—an international multidisciplinary consensus. Br J Sports Med. 2021;55:1270-1276.
  2. Wagemans J, et al. Exercise-based rehabilitation reduces reinjury following acute lateral ankle sprain: A systematic review update with meta-analysis. PLoS One. 2022.
  3. Bleakley CM, et al. Rehabilitation Exercises Reduce Reinjury Post Ankle Sprain, But the Content and Parameters of an Optimal Exercise Program Have Yet to Be Established: A Systematic Review and Meta-analysis. Arch Phys Med Rehabil. 2019;100:1367-1375.
  4. Bellows R, Wong CK. The Effect of Bracing and Balance Training on Ankle Sprain Incidence Among Athletes: A Systematic Review With Meta-analysis. Int J Sports Phys Ther. 2018;13:379-388.
2026年9月1日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院