机の角に脚をぶつけた。 スポーツ中に相手の膝が太ももに入った。 転んで腕や膝を強く打った。
その直後はそれほどでもなかったのに、翌日になると青紫色の「あざ」が広がっていて、
「こんなに青くなって大丈夫?」
と心配になった経験はありませんか?
一般的に「打撲」と呼ばれるケガでは、皮膚の下にある血管や筋肉などの組織が損傷し、内出血や腫れ、痛みがみられることがあります。
ただし、青あざの見た目だけでケガの重症度を判断することはできません。
打撲すると、なぜ青あざができる?
身体を強くぶつけると、皮膚が切れていなくても、その下にある細い血管などが損傷することがあります。
そこから血液が周囲の組織に広がることで、皮膚の表面から青紫色などに見えることがあります。
これが一般的に「青あざ」と呼ばれているものです。
時間の経過とともに色の見え方が変化することもあります。
そのため、
「色が濃いから重症」 「色が薄いから軽症」
と、色だけで判断することはできません。
あざが少し広がってきたけど大丈夫?
受傷した場所と、後から見える内出血の範囲が完全に一致するとは限りません。
皮下に出た血液が周囲へ広がることで、時間が経ってから別の場所まで色が見えることもあります。
したがって、**「あざが広がった=必ずケガが悪化した」**とは限りません。
一方で、
腫れが急激に強くなる
痛みが強くなっている
患部が強く張っている
しびれや感覚の異常がある
手足を動かしにくくなっている
といった変化がある場合は、見た目の色だけで判断しないことが重要です。
「ぶつけただけ」でも骨折することはある?
あります。
「打撲」は身体をぶつけたときによく使われる言葉ですが、強い外力が加われば骨や筋肉などにも損傷が生じる可能性があります。
特に、
骨の限られた場所を押すと強く痛む 明らかな変形がある 関節を動かすことが難しい 体重をかけられない・手を十分使えない 強い腫れがある
などの場合には、「ただの打撲」と自己判断しない方がよいでしょう。
受傷した部位や状況によっては、骨折などの有無を確認するために画像検査が必要になることがあります。
打撲したら、とにかく冷やせばいい?
以前は急性外傷に対して「RICE」という言葉が広く使われてきました。
そのため、
「打撲したら、とにかく長時間冷やした方が早く治る」
と思っている方もいるかもしれません。
しかし現在、冷却については少し慎重に考える必要があります。
急性軟部組織損傷に対する冷却の研究では、痛みを軽減する目的では利用できる可能性がある一方、組織の修復を早めることを示す十分なヒトでの根拠はありません。
そのため、
「冷やせば早く治る」
とは言い切れません。
冷却する場合も、皮膚へ直接強い冷却物を当て続けたり、感覚がなくなるほど長時間冷やしたりするのは避けます。
痛みを和らげるための一つの方法として考えるのがよいでしょう。
打撲したところを揉んでもいい?
受傷直後に、痛みや腫れが強い場所を無理に揉む必要はありません。
「内出血を散らした方が早く治る」
と考えて強くマッサージする方もいますが、まずはどの組織が損傷している可能性があるのかを確認することが重要です。
特に強い痛みや腫れがある場合には、自己判断で強く押したり揉んだりせず、状態を確認しましょう。
打撲したときに確認したいポイント
青あざの大きさだけを見るのではなく、
どこをぶつけたのか どのくらいの強さでぶつけたのか どこを押すと痛いのか 腫れはどう変化しているか 関節を動かせるか 体重をかけられるか・手を使えるか しびれや感覚異常はないか
などを確認します。
また、時間が経ってから症状がどのように変化しているかを見ることも大切です。
こんなときは医療機関での評価を考えましょう
打撲だと思っていても、
明らかな変形がある 強い痛みや腫れが続く・悪化している 手足を動かしにくい、体重をかけられない しびれや感覚異常がある 皮膚の傷や出血を伴っている 強い外力が加わった
などの場合には、必要に応じて医療機関での検査を検討します。
特に強い外傷では、見た目だけで骨折や深部の組織損傷を否定することはできません。
青あざの見た目だけで判断しないことが大切
打撲すると、青紫色の内出血が目立つことがあります。
見た目が強いと不安になりますが、
「青あざが大きい=重症」 「歩ける=骨折していない」 「とにかく冷やせば早く治る」
とは限りません。
大切なのは、あざの色だけではなく、痛む場所・腫れ・動き・受傷状況・症状の変化などを合わせて確認すること です。
池上7丁目整骨院では、外傷の状態を確認し、必要に応じて超音波画像観察装置も使用しています。
骨折などが疑われる場合には、医療機関での検査をご案内します。
▶ 骨折・捻挫などの外傷について詳しくはこちら
Racinais S, et al. Cryotherapy for treating soft tissue injuries in sport medicine: a critical review. Br J Sports Med. 2024;58(20):1215-1223.
Bleakley C, McDonough S, MacAuley D. The use of ice in the treatment of acute soft-tissue injury: a systematic review of randomized controlled trials. Am J Sports Med. 2004;32(1):251-261.
Bayer ML, et al. Treatment of acute muscle injuries. Ugeskr Laeger. 2019. 冷却・圧迫・挙上について、患者の忍容性はあるものの組織修復を促進する根拠はないと整理しています。