運動中に突然ふくらはぎがつったり、夜中に足がつって目が覚めたりした経験はありませんか?
足がつると「水分が足りなかったのかな?」「ミネラル不足かもしれない」と考える方も多いと思います。
しかし、足がつる原因は水分不足だけとは限りません。
今回は、こむら返りが起こる理由と、つったときの対処法、繰り返す場合に確認したいことを解説します。
こむら返りとは?
こむら返りは、筋肉が自分の意思とは関係なく突然強く収縮し、痛みを伴う状態です。
ふくらはぎに多くみられますが、足の裏や太ももなどに起こることもあります。
特に、運動中や運動後に起こるものと、睡眠中など安静時に起こるものでは、関係する要因が異なる場合があります。
足がつるのは水分・ミネラル不足が原因?
大量に汗をかいたときなどは、水分や電解質の補給が大切です。
ただし、運動中のこむら返りについては、脱水や電解質不足だけで説明できないことが研究で示されています。
運動中に足がつった人と、つらなかった人を比較しても、水分状態や血液中の電解質に明確な違いが認められない研究があります。
また、筋肉への負荷や疲労、神経と筋肉の働きの変化など、複数の要因が関係すると考えられています。
つまり、「足がつる=水分不足」と決めつけることはできません。
運動中に足がつるのはなぜ?
運動に伴うこむら返りでは、筋肉の疲労や運動負荷などが関係する可能性があります。
例えば、普段より長い距離を走ったり、慣れていない強度で運動したりしたときに起こることがあります。
ただし、疲労だけが唯一の原因というわけではなく、過去にこむら返りを起こした経験なども含め、個人ごとに要因を確認する必要があります。
2026年に発表されたシステマティックレビューでも、運動中のこむら返りに関して、一貫した関連が認められたのは過去の発症歴であり、水分状態やトレーニングに関する指標の結果は限定的、または一貫していませんでした。
夜中に足がつる場合は?
睡眠中や安静時に起こるこむら返りは、運動中のものとは分けて考える必要があります。
運動負荷や身体の状態に合わせたトレーニングについてはこちら
加齢、服用している薬、基礎疾患などが関係する場合もありますが、明確な原因が分からないことも少なくありません。
また、「マグネシウムを飲めば足がつらなくなる」と聞いたことがあるかもしれません。
しかし、複数の研究をまとめたコクランレビューでは、特に高齢者の原因不明のこむら返りに対して、マグネシウムの補充による明確な予防効果は期待しにくいとされています。
サプリメントを自己判断で増やすのではなく、症状の頻度や生活状況を確認することが大切です。
足がつったときはどうすればいい?
運動中にふくらはぎがつった場合は、まず運動を中断しましょう。
無理に動かし続けず、痛みのある筋肉をゆっくり伸ばす方法が一般的です。
ふくらはぎの場合は、膝を伸ばした状態で、足首をゆっくり反らす方向に動かすと筋肉が伸ばされます。
ただし、強引に引っ張る必要はありません。痛みが強い場合は無理をせず、状態を確認してください。
繰り返し足がつる場合に確認したいこと
足がつることを繰り返す場合には、次のような点を確認してみましょう。
- どのような運動のときにつるのか
- 運動時間や強度が急に増えていないか
- 十分な休息が取れているか
- 水分や食事が極端に不足していないか
- 夜間にも頻繁に起こるか
- 服用中の薬や持病がないか
運動中のこむら返りでは、運動負荷や休息の取り方を見直すことが役立つ場合があります。ただし、特定の方法で必ず予防できるという十分な根拠はありません。
医療機関への相談が必要な場合
こむら返りが頻繁に起こる、睡眠に大きく影響する、筋力低下やしびれを伴う場合などは、医療機関で原因を確認することをおすすめします。
また、片脚だけに強い腫れや熱感、赤みがある場合は、単なるこむら返りではない可能性があります。突然の息切れや胸痛を伴う場合は、緊急の医療対応が必要です。
まとめ
足がつる原因は、水分不足やミネラル不足だけではありません。
運動中のこむら返りには筋疲労や運動負荷などが関係する可能性があり、夜間のこむら返りでは別の要因も考える必要があります。
大切なのは、水分やサプリメントだけに頼るのではなく、いつ、どのような状況で足がつるのかを確認することです。
池上7丁目整骨院では、運動時の身体の使い方やトレーニング負荷などについても、状態に応じてご相談いただけます。
参考文献
- Miller KC, et al. An Evidence-Based Review of the Pathophysiology, Treatment, and Prevention of Exercise-Associated Muscle Cramps. Journal of Athletic Training. 2022.
- Costa et al. Risk Factors for Exercise-Associated Muscle Cramps: A Systematic Review With Meta-Analysis. Muscle & Nerve. 2026.
- Garrison SR, et al. Magnesium for skeletal muscle cramps. Cochrane Database of Systematic Reviews. 2020.
- Allen RE, Kirby KA. Nocturnal Leg Cramps. American Family Physician. 2012.