スポーツシューズでは特にフィットが重要?
ランニングでは、靴ひもの通し方や締め方によって足底圧、足の動き、足と靴の固定感などが変化することが報告されています。
ただし、
「この結び方なら速く走れる」
「この結び方ならケガを予防できる」
と単純には言えません。
ランニングシューズの構造とバイオメカニクスを調べたシステマティックレビューでも、靴ひもを含む一部のシューズ構造について、明確な科学的指針を作るには研究が不足しているとされています。
スポーツでは競技によって、
走る
止まる
切り返す
ジャンプする
など動作が違います。
そのため、普段履きとスポーツシューズで同じフィット感が最適とは限りません。
「ランナーズループ」をすればいい?
ランニングシューズには、一番上に余っているように見える穴が付いていることがあります。
これを利用して、かかと周囲のフィットを調整する結び方が使われることがあります。
ただし、
全員がこの結び方にすればいいわけではありません。
実験研究では、上部のアイレットまで使用する結び方によって、ランニング時の足と靴の固定感などが変化することが報告されていますが、個人に合わせて調整することが重要です。
通常の結び方で問題なくフィットしている人まで、必ず変更する必要はありません。
靴ひもだけでサイズの問題は解決できません
ここは特に重要です。
例えば、
靴が大きすぎるから靴ひもを強く締める
幅が合っていないのに靴ひもだけで固定する
という使い方では、根本的なサイズや形状の不一致を解決できないことがあります。
不適切なサイズの靴と足部痛・足部障害との関連を報告したレビューもあります。
靴ひもを見る前に、
足長
足幅・足囲
つま先の余裕
かかとの収まり
靴そのものの形
なども合わせて確認する必要があります。
インソールを入れる前にも靴を確認
インソールを使用するときも同じです。
インソールだけを足に合わせれば終わりではありません。
インソールを入れる靴そのものが大きすぎたり、形が足に合っていなかったり、靴ひもが適切に調整されていなかったりすれば、足と靴のフィットは変わります。
以前の記事でも紹介したように、靴の快適性は靴そのものの構造だけでなく、個人差や使用する状況など複数の要因が関係します。
だからこそ、
足 × 靴 × 使用目的
を一緒に考えることが大切です。
靴ひもまで含めて「靴のフィット」
靴選びというと、つい「26.0cm」などのサイズ表示だけに目が向きます。
しかし実際には、
靴のサイズ・形
+
足の形
+
靴ひもの調整
+
使用目的
まで含めてフィットを考える必要があります。
「緩い方が楽」でも、
「強く締めれば安定する」でもありません。
実際に履いて、かかとが大きく浮かないか、足が靴の中で必要以上に動かないか、甲に痛みや強い圧迫感がないかを確認してみましょう。
▶ インソールを選ぶ前に知っておきたい「靴との相性」
- Fiedler KE, et al. The effect of shoe lacing on plantar pressure distribution and in-shoe displacement of the foot in healthy participants. Gait Posture. 2011;33(3):396-400.
- Hagen M, Hennig EM. Effects of different shoe-lacing patterns on the biomechanics of running shoes. J Sports Sci. 2009;27(3):267-275.
- Hagen M, et al. Effects of different shoe-lacing patterns on dorsal pressure distribution during running and perceived comfort. Res Sports Med. 2010;18(3):176-187.
- Matthias EC, et al. Footwear comfort: a systematic search and narrative synthesis of the literature. J Foot Ankle Res. 2021.