靴ひも、ちゃんと結んでいますか?靴のフィット感と靴ひもの役割

靴を選ぶとき、

「サイズは合っている」
「幅もきつくない」
「つま先にも余裕がある」

そこまで確認していても、意外と見落とされやすいのが靴ひもです。

靴ひもを緩めたまま履いていたり、一度結んだ靴をそのまま脱ぎ履きしたりしていませんか?

靴ひもは、単に靴が脱げないようにするためだけのものではありません。

足と靴をどのようにフィットさせるかを調整する役割もあります。

靴ひもを緩めたままだとどうなる?

健康な成人20人を対象にした研究では、靴ひもの締め方を「快適に締めた状態」「緩めた状態」「完全に緩めた状態」で比較しています。

靴ひもを緩めるにつれて、参加者が感じるかかとの浮きや、靴の中で足が前後に動く感覚が増加しました。また、足底圧の一部にも変化がみられました。

つまり、

靴のサイズが合っていても、靴ひもの状態によって靴の中での足の収まり方は変わる

ということです。

ただし、これだけで「靴ひもが緩いとケガをする」とまでは言えません。

 

強く締めればいいわけでもありません

では、靴ひもはできるだけ強く締めればいいのでしょうか?

これも違います。

ランナーを対象とした研究では、靴ひもの通し方や締め方によって、足の甲にかかる圧力や快適性、安定感が変化することが報告されています。

足の甲が強く圧迫されて、

「痛い」
「しびれる」
「圧迫感が強い」

という状態で無理に履き続ける必要はありません。

重要なのは、

緩すぎず、締めすぎず、足と靴が無理なくフィットしていること

です。

靴を履くときは、かかとの位置も確認

靴ひもを締める前に確認したいのが、足が靴の中にどのように収まっているかです。

靴を履いたら、

① かかとを靴の後方に合わせる
② つま先に無理な圧迫がないか確認する
③ 足の甲に強い圧迫がない程度に靴ひもを調整する
④ 立ってフィット感を確認する
⑤ 実際に少し歩いて確認する

という流れで見ると分かりやすいでしょう。

ここでも「靴ひもを何Nの力で締める」など、一つの基準を全員に当てはめるわけではありません。

足の形、靴の形、使用目的などによって適したフィット感は変わります。

 

スポーツシューズでは特にフィットが重要?

ランニングでは、靴ひもの通し方や締め方によって足底圧、足の動き、足と靴の固定感などが変化することが報告されています。

ただし、

「この結び方なら速く走れる」
「この結び方ならケガを予防できる」

と単純には言えません。

ランニングシューズの構造とバイオメカニクスを調べたシステマティックレビューでも、靴ひもを含む一部のシューズ構造について、明確な科学的指針を作るには研究が不足しているとされています。

スポーツでは競技によって、

走る
止まる
切り返す
ジャンプする

など動作が違います。

そのため、普段履きとスポーツシューズで同じフィット感が最適とは限りません。

「ランナーズループ」をすればいい?

ランニングシューズには、一番上に余っているように見える穴が付いていることがあります。

これを利用して、かかと周囲のフィットを調整する結び方が使われることがあります。

ただし、

全員がこの結び方にすればいいわけではありません。

実験研究では、上部のアイレットまで使用する結び方によって、ランニング時の足と靴の固定感などが変化することが報告されていますが、個人に合わせて調整することが重要です。

通常の結び方で問題なくフィットしている人まで、必ず変更する必要はありません。

靴ひもだけでサイズの問題は解決できません

ここは特に重要です。

例えば、

靴が大きすぎるから靴ひもを強く締める
幅が合っていないのに靴ひもだけで固定する

という使い方では、根本的なサイズや形状の不一致を解決できないことがあります。

不適切なサイズの靴と足部痛・足部障害との関連を報告したレビューもあります。

靴ひもを見る前に、

足長
足幅・足囲
つま先の余裕
かかとの収まり
靴そのものの形

なども合わせて確認する必要があります。

インソールを入れる前にも靴を確認

インソールを使用するときも同じです。

インソールだけを足に合わせれば終わりではありません。

インソールを入れる靴そのものが大きすぎたり、形が足に合っていなかったり、靴ひもが適切に調整されていなかったりすれば、足と靴のフィットは変わります。

以前の記事でも紹介したように、靴の快適性は靴そのものの構造だけでなく、個人差や使用する状況など複数の要因が関係します。

だからこそ、

足 × 靴 × 使用目的

を一緒に考えることが大切です。

靴ひもまで含めて「靴のフィット」

靴選びというと、つい「26.0cm」などのサイズ表示だけに目が向きます。

しかし実際には、

靴のサイズ・形

足の形

靴ひもの調整

使用目的

まで含めてフィットを考える必要があります。

「緩い方が楽」でも、
「強く締めれば安定する」でもありません。

実際に履いて、かかとが大きく浮かないか、足が靴の中で必要以上に動かないか、甲に痛みや強い圧迫感がないかを確認してみましょう。

▶ インソールを選ぶ前に知っておきたい「靴との相性」

  1. Fiedler KE, et al. The effect of shoe lacing on plantar pressure distribution and in-shoe displacement of the foot in healthy participants. Gait Posture. 2011;33(3):396-400.
  2. Hagen M, Hennig EM. Effects of different shoe-lacing patterns on the biomechanics of running shoes. J Sports Sci. 2009;27(3):267-275.
  3. Hagen M, et al. Effects of different shoe-lacing patterns on dorsal pressure distribution during running and perceived comfort. Res Sports Med. 2010;18(3):176-187.
  4. Matthias EC, et al. Footwear comfort: a systematic search and narrative synthesis of the literature. J Foot Ankle Res. 2021.
 
 
2026年9月17日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院