肉離れは揉んでもいい?ストレッチはいつから?受傷直後に気をつけたいこと

スポーツ中に急に太ももやふくらはぎが痛くなり、

「肉離れかもしれない」

と思った経験はありませんか?

肉離れをしたときによく聞かれるのが、

「硬くならないように揉んだ方がいい?」
「ストレッチで伸ばした方がいい?」
「痛みが減ったら運動していい?」

という質問です。

肉離れは、ただ安静にしていればよいわけでも、早くから強く揉んだり伸ばしたりすればよいわけでもありません。

今回は、肉離れを疑ったときに気をつけたいことと、スポーツ復帰までの考え方について紹介します。

肉離れとは?

肉離れは、ダッシュやジャンプ、急な切り返しなどによって筋肉に大きな力が加わったときに起こる筋損傷の一つです。

スポーツでは特に、

・太ももの裏(ハムストリングス)
・ふくらはぎ
・太ももの前

などにみられます。

損傷の程度はさまざまで、軽い痛みだけの場合もあれば、歩くのが難しくなったり、腫れや皮下出血が出たりすることもあります。

また、「歩けるから軽い」とは限りません。

どの筋肉の、どの部分を傷めているのかによって、その後のリハビリやスポーツ復帰の進め方も変わります。

 

肉離れをした直後に揉んでもいい?

痛みが強い部分を、自己判断で強く揉むことはおすすめしません。

「硬くなっているからほぐした方がいい」と考えてしまいがちですが、受傷直後は筋肉が損傷している可能性があります。

特に腫れや皮下出血、強い圧痛がある場合には、無理に刺激を加えない方がよいでしょう。

一方で、

「肉離れをしたら、痛みが完全になくなるまで一切動かさない」

という考え方も現在のリハビリの考え方とは少し異なります。

ハムストリング損傷に関する国際コンセンサスでは、初期には損傷部への大きな伸張負荷や急激な負荷を避けながら、その後は症状や筋力、負荷に対する反応などを確認して段階的に運動を進めることが重視されています。

ストレッチはいつから?

ここで大切なのは、

「受傷から○日経ったからストレッチを始める」

と日数だけで決めないことです。

肉離れといっても、損傷した場所や程度は同じではありません。

実際、国際コンセンサスでも、ハムストリング損傷後の柔軟性トレーニングをいつ開始するかについて明確な合意は得られていません。

そのため、

「3日経ったから伸ばそう」

ではなく、

その時点でどのくらい動かせるのか、痛みはどう変化しているのか、どの程度の負荷に耐えられるのか

を確認しながら進めることが重要です。

痛みを我慢して強く伸ばす必要はありません。

痛みが少しでもあったら運動してはいけない?

これも「痛みがある=運動禁止」と単純には決められません。

急性ハムストリング損傷を対象にした研究では、痛みを出さない範囲でリハビリを行ったグループと、一定の痛みを許容しながら行ったグループを比較しても、スポーツ復帰までの期間に明確な差はありませんでした。

ただし、

「痛くても我慢して運動していい」

という意味ではありません。

どの運動で痛むのか、運動後に症状が悪化しないか、筋力が戻っているかなどを確認しながら負荷を調整します。

特に全力に近いスプリントについては、国際コンセンサスでは痛みなく走れることを重視する意見が支持されています。

肉離れのリハビリは「ストレッチだけ」ではありません

肉離れというと、

「筋肉が硬くなったから伸ばさないと」

と思われることがあります。

しかし、スポーツ復帰を考えるなら、柔軟性だけでは十分ではありません。

状態に応じて、

筋力トレーニング

筋肉を伸ばされた状態でも力を発揮する練習

ジョギング

ランニング

スプリント

切り返しやジャンプなどの競技動作

といったように、実際のスポーツで必要になる負荷へ段階的に近づけていくことが重要です。

特にハムストリング損傷では、ランニングやスプリントそのものもリハビリの重要な要素と考えられています。

また、「筋肉を伸ばしながら力を出す運動は早く始めれば始めるほどよい」というわけでもありません。

MRIで確認された急性ハムストリング損傷を対象に、こうした運動を早期から開始した場合と、ランニング能力が戻ってから開始した場合を比較したRCTでは、スポーツ復帰までの期間や再受傷率に明確な差は認められませんでした。

 

痛みがなくなったらスポーツ復帰していい?

痛みがなくなったことは、スポーツ復帰を考えるうえで大切な要素の一つです。

しかし、

「痛くない=元通り」

とは限りません。

筋力が十分に戻っているか、走れるか、スピードを上げられるか、競技特有の動きに対応できるかなども確認する必要があります。

2023年に発表されたハムストリング損傷に関する国際コンセンサスでも、単純な経過日数ではなく、症状・筋力・ランニング能力・競技で必要とされる能力などを総合して復帰を判断する考え方が示されています。

こんな症状がある場合は状態を確認しましょう

肉離れだと思っていても、筋肉だけの問題とは限りません。

・歩くのが難しい
・腫れや皮下出血が強い
・力が入りにくい
・筋肉にへこみや明らかな左右差を感じる
・痛みが強い
・症状がなかなか改善傾向を示さない
・ケガを繰り返している

このような場合には、無理に運動を続けず、状態を確認することをおすすめします。

肉離れは「休むだけ」でも「伸ばすだけ」でもありません

肉離れをすると、

「とにかく安静」
「とにかくストレッチ」
「硬いから揉む」

となりがちですが、大切なのは損傷の状態に合わせて負荷を戻していくことです。

特にスポーツ復帰を目指す場合には、痛みだけではなく、筋力やランニング、競技動作まで段階的に確認していく必要があります。

池上7丁目整骨院では、スポーツによるケガについて、状態を確認しながら運動や競技復帰までの進め方を考えていきます。

「肉離れかもしれない」
「いつから走っていいのか分からない」
「ストレッチしていいのか分からない」

という場合はご相談ください。

「スポーツ障害・スポーツ外傷」についてはこちら

参考文献

  1. Paton BM, et al. London International Consensus and Delphi study on hamstring injuries part 3: rehabilitation, running and return to sport. Br J Sports Med. 2023;57:278-291.
  2. Hickey JT, et al. Pain-Free Versus Pain-Threshold Rehabilitation Following Acute Hamstring Strain Injury: A Randomized Controlled Trial. J Orthop Sports Phys Ther. 2020;50(2):91-103.
  3. Vermeulen R, et al. Early versus delayed lengthening exercises for acute hamstring injury in male athletes: a randomised controlled clinical trial. Br J Sports Med. 2022;56(14):792-800.
2026年8月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院