肩が痛いときは動かさない方がいい?「安静」と「運動」の考え方

肩が痛くなると、

「なるべく動かさない方がいいのかな?」
「運動すると悪化する?」
「痛くても動かした方がいい?」

と迷うことがあります。

肩の痛みにはさまざまな原因があるため、すべてを同じように扱うことはできません。

ただし、成人のローテーターカフ(腱板)に関連する肩の痛みでは、現在のガイドラインは単に安静にするだけではなく、状態に合わせた活動調整と運動を重要な選択肢として位置づけています。

今回は、肩が痛いときの「休ませる」と「動かす」をどう考えればよいのか紹介します。

肩が痛い=動かしてはいけない?

必ずしもそうではありません。

痛みが強く出る動作を何度も繰り返したり、急に大きな負荷をかけたりすることは避ける必要があります。

一方で、

「痛みがあるから、できるだけ肩を使わない」

と一律に考える必要もありません。

2025年の臨床ガイドラインでは、ローテーターカフ腱障害に対する初期治療として、患者ごとの状態に合わせた教育、活動量の調整、自己管理に加えて、運動療法が推奨されています。

大切なのは、

「動かすか、動かさないか」の二択ではなく、現在の状態に合わせて負荷を調整することです。

 

そもそもローテーターカフ(腱板)とは?

肩の周囲には、

・棘上筋
・棘下筋
・小円筋
・肩甲下筋

という4つの筋肉があります。

これらの腱が肩関節の周囲を取り囲むように存在し、ローテーターカフ(腱板)と呼ばれます。

腕を上げたり回したりするときだけでなく、肩関節を安定させながら動かすためにも関わっています。

ただし、肩が痛いからといって、必ず腱板に問題があるとは限りません。

肩関節周囲炎、関節の問題、外傷など、肩の痛みにはさまざまな状態が含まれます。

どんな運動をすればいいの?

ここも「この運動をすれば大丈夫」と一律には決められません。

2025年のガイドラインでは、モーターコントロール運動や抵抗運動などを含む、積極的な運動プログラムが推奨されています。

一方、2024年のシステマティックレビューでは、モーターコントロール運動は一般的な運動と比べて機能障害をわずかに改善する可能性がありますが、特定の運動方法や「高負荷の方が優れている」といった点については、まだ不確実性が残っています。

つまり、

「肩甲骨の運動だけ」
「インナーマッスルだけ」
「重い負荷をかければいい」

と決めつけるのではなく、その人の動きや症状、必要な活動に合わせて調整することが重要です。

痛みがある運動は全部ダメ?

これも単純ではありません。

どの程度の症状まで許容するかは、その人の状態や運動内容によって変わります。

そのため、

「痛くても我慢してやる」

という考え方も、

「少しでも痛ければ絶対に動かさない」

という考え方も、一律には勧められません。

運動中だけではなく、運動後に症状が大きく悪化していないか、日常生活への影響が増えていないかなども含めて負荷を調整していきます。

 

マッサージだけではダメなの?

肩が痛いと、揉んだりほぐしたりしてほしいと考える方も多いと思います。

徒手療法については、2025年のガイドラインでも、短期的な痛みの軽減を目的として運動などと組み合わせる選択肢にはなっています。

しかし、ローテーターカフ腱障害では運動が非手術的な管理の中心的な要素として位置づけられています。

そのため、

「ほぐして終わり」ではなく、その後に肩をどのように使えるようにしていくか

まで考えることが大切です。

こんな肩の痛みは一度確認を

肩の痛みのすべてが運動で対応できるわけではありません。

特に、

・転倒や衝突など、明らかなケガのあとから強く痛む
・腕を上げることが難しい
・明らかな筋力低下がある
・しびれなど神経症状を伴う
・症状が続き、改善傾向がみられない

といった場合には、状態を確認することが重要です。

必要に応じて医療機関で画像検査などを検討する場合もあります。

「安静」か「運動」かではなく、負荷を調整する

肩が痛いときに大切なのは、

「とにかく安静」でも「痛くても運動」でもありません。

痛みが出る動作や負荷を確認しながら、必要に応じて活動量を調整し、徐々に肩を使える状態を目指します。

肩の状態や必要な動作は、仕事・家事・スポーツなどによっても異なります。

そのため、自分の状態に合わせて進めることが重要です。

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参考文献

  1. Desmeules F, et al. Rotator Cuff Tendinopathy Diagnosis, Nonsurgical Medical Care, and Rehabilitation: A Clinical Practice Guideline. J Orthop Sports Phys Ther. 2025;55(4):235-274.
  2. Powell JK, et al. The Efficacy of Exercise Therapy for Rotator Cuff–Related Shoulder Pain According to the FITT Principle: A Systematic Review With Meta-analyses. J Orthop Sports Phys Ther. 2024;54(8):499-512.
2026年9月3日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院