すねの内側が痛いのはシンスプリント?疲労骨折との違いと受診の目安

ランニングやジャンプを繰り返す部活動で、「すねの内側が痛い」という相談は少なくありません。よく知られるシンスプリント(内側脛骨ストレス症候群:MTSS)のほか、脛骨の骨ストレス障害や疲労骨折なども考えられます。痛みの場所だけで自己診断せず、運動負荷と症状の経過を合わせて評価することが重要です。

シンスプリントとは?

シンスプリントは、走る・跳ぶといった繰り返しの負荷に関連して、脛骨の内側、とくに後内側縁に痛みが出る状態です。研究では、運動に伴う痛みと、脛骨後内側縁の5cm以上にわたる圧痛が代表的な臨床所見とされています。

初期には運動中や運動後に痛みが現れ、休むと軽くなることがあります。ただし、症状が進むと運動を続けにくくなる場合もあります。「ウォームアップで一時的に楽になるから問題ない」とは判断できません。

シンスプリントと脛骨疲労骨折の症状を比較した医療イメージ図。実際のX線写真ではない。
シンスプリントと疲労骨折の一般的な違いを示す模式図。受診は2週間待つ必要はありません。

画像についての注意: 比較画像は一般的な特徴を説明する模式図です。掲載されたX線風画像は実際の患者さんの診断画像ではありません。画像内の「2週間以上」は受診の必要条件ではなく、一点に強い痛みがある、歩行でも痛い、安静時にも痛い場合などは日数を待たずに整形外科へ相談してください。

疲労骨折とはどう違う?

疲労骨折は、骨に繰り返し負荷がかかり、骨の修復が追いつかなくなった骨ストレス障害の一つです。シンスプリントと連続した病態として考えられることもあり、両者は症状だけで完全に区別できません。

  • 圧痛の範囲: シンスプリントでは比較的広い範囲、疲労骨折では限局した圧痛が手掛かりになることがあります。ただし例外があります。
  • 痛みの経過: 初期の骨ストレス障害では運動時だけの痛みでも、進行すると歩行・日常動作・安静時に痛む場合があります。
  • 画像検査: 疲労骨折の初期にはX線で異常が見えないことがあります。疑いが残る場合、医師がMRIなどの必要性を判断します。

なお、片脚ジャンプで痛いかどうかなど一つの検査だけで疲労骨折を除外することはできません。 痛みが強い人に自己判断でジャンプを繰り返させることも避けましょう。

起こりやすい状況

  • 練習時間・走行距離・ダッシュやジャンプの回数を急に増やした
  • 休養が不足し、痛みを我慢して練習を続けている
  • 靴の状態や運動環境が変わった
  • 食事量が運動量に見合わない、体重減少や疲労が続く

足部の形や走り方だけを単独の原因と決めつけることはできません。練習量、回復、栄養、既往歴などを総合的に確認します。

痛みが出たときの対応

  1. 痛みを誘発するランニングやジャンプをいったん中止・軽減する。 痛みを我慢して継続しない。
  2. 歩行でも痛む場合は、運動を再開せず医療機関で評価を受ける。
  3. 冷却は一時的な痛みの緩和を目的に短時間行うことはありますが、疲労骨折を治す方法ではありません。冷却材を皮膚へ直接長時間当てないでください。
  4. 痛みが落ち着いた後は、医療者の評価を踏まえて、ふくらはぎ・股関節周囲の筋力、片脚支持、着地動作、練習量を段階的に調整します。

復帰までの日数は一律に決められません。 骨ストレス障害の部位と重症度、日常生活での痛み、運動負荷への反応などを確認して判断します。

すねの痛みの原因、セルフケアと受診の目安を示した日本語の説明図。
痛みを我慢して走り続けず、局所的な圧痛や歩行時痛があれば早めに医療機関で評価を受けましょう。

画像についての注意: 画像内の「2~3週間以上」という記載は、受診まで待ってよい期間を意味しません。疲労骨折を疑う所見があれば早期に受診してください。また、アイシングやストレッチだけで治癒が保証されるわけではありません。

こんな症状は早めに整形外科へ

  • 脛骨の一点を押すと強く痛む
  • 歩行で痛む、足を引きずる、日常生活に支障がある
  • 安静時・夜間にも痛む、痛みが増している
  • 腫れが目立つ、練習を休んでも痛みが続く
  • 同じ部位の痛みを繰り返している

強い腫れ、しびれ、足の色や温度の異常、急激に増す激痛がある場合は、別の緊急性のある疾患も考えられるため、速やかに医療機関を受診してください。

池上7丁目整骨院での考え方

当院では、受傷・発症時期、練習量の変化、圧痛の位置と範囲、歩行時の症状、足部・下肢の動きなどを確認します。超音波画像観察(エコー)も状態の把握に活用していますが、エコーだけで脛骨の疲労骨折を確実に否定することはできません。 骨ストレス障害が疑われる場合は整形外科での画像検査を含めた評価につなげます。

当院の設備については、超音波画像観察(エコー)のご案内もご覧ください。

まとめ

すねの内側の痛みはシンスプリントだけとは限りません。特に局所的な強い圧痛や歩行時痛がある場合は、「しばらく様子を見る」よりも早期評価を優先してください。運動を休むことと、原因となる負荷を見直すことの両方が大切です。

参考文献

  1. Winters M. The diagnosis and management of medial tibial stress syndrome: An evidence update. Unfallchirurg. 2020;123(Suppl 1):15–19.
  2. American Academy of Orthopaedic Surgeons. Stress Fractures. OrthoInfo.
  3. International Delphi consensus on bone stress injuries in athletes. British Journal of Sports Medicine.
  4. Bone Stress Injuries: Diagnosis and Management. American Family Physician. 2024.
2026年11月7日 | カテゴリー : スポーツ外傷 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院