汗で失われる「ナトリウム」の重要性
~水だけでは足りないことがある?~
はじめに
これまでのシリーズでは、
- 第1回:夏の水分補給、本当に足りていますか?
- 第2回:のどが渇いてからでは遅い?「自発的脱水」とは
- 第3回:脱水すると体の中で何が起こる?
- 第4回:水・スポーツドリンク・経口補水液の違い
についてご紹介しました。
今回は、水分補給とあわせて知っておきたい**「ナトリウム(塩分)」**について解説します。
「水を飲んでいるのに疲れやすい」
「運動中に足がつる」
そんな経験がある方は、ナトリウム不足が関係している場合があります。

汗で失われるのは「水」だけではありません
汗には約99%の水分が含まれていますが、それ以外にも
- ナトリウム
- 塩化物
- カリウム
- マグネシウム(ごく少量)
などの電解質が含まれています。
特にナトリウムは汗とともに失われやすい電解質です。
暑い環境や長時間の運動では、水分だけでなくナトリウムも補給することが重要になります。

ナトリウムにはどんな役割がある?
ナトリウムは体内で、
- 水分バランスを保つ
- 神経から筋肉へ信号を伝える
- 血圧や循環を維持する
など、生命活動に欠かせない働きをしています。
そのため、大量の汗でナトリウムが失われると、体の機能に影響が出ることがあります。
水だけを大量に飲むとどうなる?
運動や屋外作業で大量に汗をかいたあとに、水だけを短時間で多く飲むと、血液中のナトリウム濃度が低下することがあります。
この状態は「運動関連低ナトリウム血症」の原因の一つとして知られています。
軽い場合には
- 手足のけいれん
- 倦怠感
- 頭痛
- 吐き気
などがみられることがあります。
重症化すると意識障害などにつながることもあるため、症状が強い場合は速やかに医療機関を受診してください。
※通常の日常生活で起こることは多くありません。長時間の持久系スポーツや大量発汗時に注意が必要です。
どんな人が注意した方がよい?
特に注意したいのは、
- 夏場の部活動
- サッカー・野球・テニスなど屋外スポーツ
- ランニングやマラソン
- 建設・工事など屋外作業
- 高温環境で長時間活動する方
です。
汗を大量にかく環境では、水分だけでなくナトリウムの補給も考える必要があります。
池上7丁目整骨院からのアドバイス
運動中は
「水をたくさん飲めば安心」
ではありません。
一方で、普段の生活では過度に塩分を摂る必要もありません。
大切なのは、
- 活動量
- 発汗量
- 気温
- 運動時間
に応じて、水分と電解質を適切に補給することです。
特に60分以上の運動や大量発汗が予想される場合は、スポーツドリンクや適切な電解質補給を活用するとよいでしょう。
まとめ
- 汗では水分だけでなくナトリウムも失われる
- ナトリウムは筋肉や神経の働き、水分バランスに重要
- 大量発汗時は水だけでなく電解質補給も考える
- 普段の生活では水が基本だが、長時間運動では状況に応じた補給が大切
シリーズ記事
← 第4回:水・スポーツドリンク・経口補水液の違い
(内部リンク)
→ 第6回:運動前・運動中・運動後 いつ飲むのが効果的?
(次回公開予定)
イラスト①
「汗で失われるもの」
内容:
- 💧 水分
- 🧂 ナトリウム(最も重要)
- ⚡ カリウム
- 🟦 塩化物など
中央に汗のしずくを配置し、各成分が汗とともに失われる様子を図解。
イラスト②
「ナトリウム不足が起こる流れ」
長時間の運動・大量発汗
↓
水分・ナトリウムが失われる
↓
水だけを大量に補給
↓
血液中のナトリウム濃度が低下することがある
↓
筋けいれん・頭痛・倦怠感・吐き気
↓
症状が強い場合は医療機関へ
※「必ず起こる」「予防できる」などの断定表現は避け、一般向けかつ医療広告ガイドラインに配慮した表現としています。
参考文献
- 日本スポーツ協会『スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック』
- American College of Sports Medicine. Exercise and Fluid Replacement (Position Stand)
- 日本救急医学会『熱中症診療ガイドライン』
- 『臨床スポーツ医学』Vol.43 No.8(2026)「スポーツと水」
- European Society of Cardiology / American College of Sports Medicine の運動時水分補給に関する提言







