骨折後、固定が外れたらすぐ動かしていい?リハビリと運動再開の考え方

骨折をしてギプスやシーネなどで固定していた方から、次のような質問をいただくことがあります。

「固定が外れたら、すぐに動かしていいの?」
「関節が硬くなっているけど、無理に伸ばした方がいい?」
「筋力が落ちた気がするけど、いつから運動できる?」

固定が外れると、普段どおりに身体を動かしたくなるかもしれません。

しかし、固定が外れたことと、骨や周囲の組織が以前と同じ状態に戻ったことは別です。

今回は、骨折後に関節が硬くなる理由と、リハビリや運動再開を考える際のポイントについて解説します。

骨折後、固定が外れたら骨は完全に治っている?

骨折の治療では、骨折部が適切な位置で安定し、骨癒合が進むように固定を行うことがあります。

固定を外す時期は、骨折した場所や骨折の状態、治療方法、骨癒合の進み方などによって異なります。

また、固定を外した後も、骨が負荷に耐えられる程度や、日常生活・スポーツで許可される動作は人によって異なります。

例えば、手首の骨折と足首の骨折では、必要なリハビリや運動時の注意点が同じとは限りません。

そのため、固定が外れた後は、医師から指示された運動範囲や荷重制限を守ることが重要です。

なぜ固定後は関節が硬くなるの?

骨折後に一定期間動きを制限すると、関節が動かしにくくなったり、筋力が低下したりすることがあります。

これは、固定していた関節や周囲の筋肉・軟部組織を十分に動かせない期間が続くことなどが関係します。

例えば、手首を固定していた場合には、手首の曲げ伸ばしや手のひらを返す動きがしにくくなることがあります。

足首を固定していた場合には、足首の動きが制限され、歩行時に違和感を覚えることもあります。

ただし、関節が硬いからといって、強く伸ばせばよいわけではありません。

骨折部の状態や痛み、腫れなどを確認しながら、適切な範囲で動かしていくことが大切です。

リハビリでは何から始めるの?

骨折後のリハビリは、骨折部位や治療経過によって異なります。

一般的には、医師から許可された範囲で、次のような項目を段階的に確認します。

① 関節の動きを確認する

まずは、固定していた関節がどの程度動くのか、どの方向で痛みや制限があるのかを確認します。

必要に応じて、負担の少ない動きから始めます。

痛みを我慢して強く曲げたり伸ばしたりすることが、必ずしも回復につながるわけではありません。

② 筋力を確認する

固定期間中は、筋肉を十分に使えないことで筋力が低下する場合があります。

そのため、関節の動きだけでなく、筋肉をどの程度使えるかも確認します。

ただし、筋力トレーニングを開始する時期や負荷は、骨折部の安定性や医師の指示によって異なります。

③ 日常生活の動作を確認する

関節が動くようになっても、すぐに以前と同じ動作ができるとは限りません。

例えば、足の骨折後であれば歩行や階段、手首の骨折後であれば物を持つ動作などを確認します。

関節可動域だけでなく、日常生活で必要な動作ができるかどうかも重要なポイントです。

痛みがなくなったら運動してもいい?

痛みが少なくなったことは、回復を考えるうえで参考になる情報の一つです。

しかし、痛みがないことだけで、骨折部が十分な負荷に耐えられるとは判断できません。

特にスポーツでは、日常生活より大きな負荷がかかることがあります。

走る、跳ぶ、急に止まる、方向転換する、相手と接触するといった動作は、骨折部位によって注意が必要です。

そのため、スポーツ復帰を考える際には、医師による骨癒合や荷重・運動制限の確認に加えて、関節の動き、筋力、バランス、競技に必要な動作などを段階的に評価します。

スポーツ復帰までの考え方

骨折後のスポーツ復帰では、一般的に次のような段階を考えます。

  1. 医師の指示に基づき、安全に動かせる範囲を確認する
  2. 関節の動きや基本的な筋力を回復させる
  3. 日常生活に必要な動作を確認する
  4. 許可された範囲で運動負荷を増やす
  5. 競技特有の動作を段階的に再開する

これは一律の運動メニューではなく、回復過程を考えるための基本的な流れです。

骨折した部位や競技によって、必要な評価項目や進め方は変わります。

固定が外れた日を復帰日と考えるのではなく、骨の状態と身体機能の両方を確認することが大切です。

固定後に注意したい症状

固定が外れた後に、ある程度の関節の硬さや筋力低下がみられることはあります。

一方で、次のような症状がある場合には、医療機関での確認が必要です。

  • 痛みや腫れが徐々に強くなっている
  • しびれや感覚の異常がある
  • 手足の色が大きく変化している
  • 強い熱感や発赤、発熱がある
  • 安静にしていても強い痛みが続く
  • 医師から許可された範囲の動作でも症状が著しく悪化する

また、脚の骨折や固定後に片脚だけ急に腫れた場合には、血栓などの可能性も考慮する必要があります。

突然の息切れや胸痛などを伴う場合は、救急対応が必要です。

当院での対応

池上7丁目整骨院では、骨折後の回復過程において、医師の診断や指示を踏まえながら、関節の動きや筋力、日常生活での動作などを確認します。

状態に応じて、関節可動域の確認、運動指導、筋力トレーニング、スポーツ復帰に向けた段階的な運動などを検討します。

また、必要に応じてエコーによる軟部組織などの補助的な観察を行う場合がありますが、エコーだけで骨癒合の状態や運動再開の可否を判断するものではありません。

骨折後の運動制限や荷重の可否については、担当医の指示を優先し、必要に応じて医療機関と連携しながら対応します。

まとめ

骨折後、固定が外れたからといって、すぐに以前と同じように身体を動かせるとは限りません。

固定期間中には、関節の動きが制限されたり、筋力が低下したりすることがあります。

大切なのは、骨折部の状態を確認したうえで、関節可動域、筋力、日常生活動作、必要に応じてスポーツ動作へと段階的に進めていくことです。

焦って負荷を増やすのではなく、医師の指示と身体の回復状況に合わせて、無理のない運動再開を目指しましょう。

参考文献

  1. American Academy of Orthopaedic Surgeons(AAOS). Care of Casts and Splints.
  2. AAOS. Distal Radius Fractures(Broken Wrist).
  3. AAOS. Ankle Fractures(Broken Ankle).
  4. NHS. Broken arm or wrist.
  5. AO Foundation. AO Surgery Reference.
2026年10月28日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院