暑さに強い体はつくれる?「暑熱順化」と水分補給
~急に暑くなった日は特に注意しましょう~
「しっかり水分を飲んでいるから、暑い日でも大丈夫」
そう思っていませんか?
夏の熱中症対策では水分補給はもちろん重要ですが、もう一つ知っておきたいのが**「暑熱順化(しょねつじゅんか)」**です。
暑熱順化とは、暑い環境に少しずつ体を慣らしていくことです。環境省も、本格的に暑くなる前から適度に汗をかき、体を暑さに慣らしておくことを勧めています。
なぜ「急に暑くなった日」が危ない?
私たちの体は、暑くなると汗をかいたり皮膚の血流を増やしたりして、体内にたまった熱を外へ逃がそうとします。
ところが、まだ暑さに慣れていない時期には、この体温調節が十分に対応できないことがあります。
そのため注意したいのが、
・梅雨の晴れ間
・梅雨明け直後
・急に気温が上がった日
・涼しい場所で過ごした後の運動
・久しぶりに屋外スポーツをする日
などです。
日本スポーツ協会も、暑熱順化ができていないと、うまく汗をかけず体温が下がりにくくなり、熱中症の危険が高まると注意喚起しています。
暑さに慣れると体はどう変わる?
暑い環境で無理のない運動を繰り返していくと、体は徐々に暑さへ適応していきます。
暑熱順化が進むことで、発汗や皮膚血流などによる体温調節が行いやすくなります。
ただし、
「暑熱順化した=熱中症にならない」ではありません。
環境省も、暑さに慣れている人でも熱中症になる可能性があるため、過信しないよう注意しています。

部活動は「久しぶりの日」に注意
特に学生のスポーツでは注意が必要です。
例えば、しばらく練習が休みだったあとに、いきなり暑い日に長時間の練習を行うケースです。
「以前はこのくらいの練習ができていたから大丈夫」と考えず、その日の気温・湿度・体調に合わせて運動強度を調節することが大切です。
日本スポーツ協会では、環境条件に応じた運動強度の調節、休憩、適切な水分補給を推奨しています。また、WBGT(暑さ指数)31℃以上ではスポーツ活動を原則中止とする方針を示しており、特に子どもでは中止すべきとしています。
暑熱順化中も水分補給は必要です
暑さに慣れるために、
「水分を少なくして汗をかく」
「我慢して暑いところで運動する」
必要はありません。
むしろ暑い環境では、発汗によって失われた水分と塩分を適切に補給することが重要です。
暑熱順化と水分補給はどちらか一方ではなく、
「暑さに少しずつ慣れる」+「失った水分・塩分を補う」
という組み合わせで考えましょう。
日本スポーツ協会の現在の熱中症予防5ヶ条にも「失われる水と塩分を取り戻そう」が明記されています。

池上7丁目整骨院からのポイント
夏のスポーツでは、水分補給だけを考えるのではなく、
「今日の暑さに体が慣れているか?」
という視点も持っておきましょう。
特に夏休みの部活動、合宿、試合、久しぶりの練習などでは、急に運動量を増やさないことが重要です。
体調が悪い日は無理をせず、暑さや体調に合わせて運動量を調整しましょう。
まとめ
・暑熱順化とは、体を少しずつ暑さに慣らすこと
・急に暑くなった日は特に注意する
・久しぶりの運動で、いきなり強度を上げない
・暑熱順化していても熱中症になる可能性はある
・暑熱順化中も水分・塩分補給を適切に行う
・気温だけでなくWBGTや体調も確認する
夏の水分補給シリーズ
← 第10回「スポーツドリンクと経口補水液は同じ?正しい使い分けを知ろう」
→ 第12回「汗をたくさんかく人は、塩分をどのくらい補給すればいい?」(次回)
参考資料
『臨床スポーツ医学』Vol.43 No.8(2026)「スポーツと水」
日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック 第6版」
環境省「熱中症環境保健マニュアル 2025」
日本スポーツ協会「熱中症予防5ヶ条」
日本スポーツ協会「熱中症を防ごう」
日本スポーツ協会「熱中症予防ガイドブック」
※本記事は一般的な健康情報の提供を目的としており、個別の診断・治療を目的としたものではありません。







