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インソールって市販品でもいい?調整できるインソールとの違い

「インソールを使ってみたいけど、市販のものでいいの?」

「高いインソールの方が良いの?」

インソール売り場を見ると、数千円の市販品から、足に合わせて調整するタイプまでさまざまです。

値段が違うと、

「高いものの方が効果も高いのでは?」

と思うかもしれません。

しかし、現在の研究を見ると、そこまで単純ではありません。

市販インソールにもメリットがあります

市販インソールの大きな特徴は、

・比較的手頃な価格
・すぐに購入できる
・さまざまな種類から選べる

という点です。

「まずインソールを試してみたい」

という場合には、市販品も十分選択肢になります。

そして重要なのは、市販品よりカスタムメイドの方が必ず優れているとは言えないことです。

例えば、足底のかかとの痛みを対象としたシステマティックレビューでは、カスタムメイドと既製品を比較して、痛みや機能に明確な差は確認されませんでした。

つまり、

「市販品だから効果がない」
「高価だから効果が高い」

という考え方は適切ではありません。

 

では、調整できるインソールは何が違う?

調整できるタイプの特徴は、足・靴・使用目的に合わせて形や当たり方を調整できることです。

例えば、

「この部分だけ当たりが強い」
「この靴で使うと違和感がある」
「スポーツ用として使いたい」

といった場合に、状態を確認しながら調整できるタイプがあります。

ただし、ここでも、

「調整できる=必ず症状が改善する」

という意味ではありません。

インソールの形状や靴との組み合わせによって、足底にかかる圧や下肢の筋活動が変化することは研究で確認されていますが、その変化がすべての人の症状改善につながるわけではありません。

つまり調整型の価値は、

「高級だから」ではなく、「使用する人や靴に合わせて調整できる余地があること」

にあります。

症状によってエビデンスの強さも違います

インソールは、すべての足の問題に同じように効果が確認されているわけではありません。

例えば成人の扁平足については、インソールがよく使われていますが、2021年のシステマティックレビューでは、研究数や研究の質が十分ではなく、効果について確かな結論を出せないとされています。

一方、中足部痛など一部の症状では、装具によって足底圧が変化することを示した研究があります。

このため、

「扁平足だからインソール」
「足が痛いからインソール」

と単純に決めるのではなく、症状や目的を確認する必要があります。

インソールを選ぶ前に確認したい4つ

では、実際に何を基準に選べばよいのでしょうか。

まず確認したいのは次の4つです。

① 足の状態

痛みや違和感がある場所、足の形、左右差などを確認します。

② 靴

サイズ、幅、かかとの収まり、インソールを入れるスペースなどを確認します。

→【関連記事:インソールを選ぶ前に知っておきたい「靴との相性」】

③ 使用目的

普段履きなのか、仕事なのか、ランニングや競技スポーツなのかによって求めるものは変わります。

④ 実際に使ったときの感覚

履いてみて、

「どこかが強く当たる」
「靴が窮屈になった」
「違和感が続く」

場合には、インソールだけでなく靴との組み合わせも見直します。

市販品と調整型、どちらを選べばいい?

ここで初めて比較します。

市販品が選択肢になりやすいケース

・まず手軽に試してみたい
・費用を抑えたい
・軽いサポートを目的としている

調整できるタイプを検討するケース

・使用する靴やスポーツがある程度決まっている
・市販品を使って違和感があった
・足や靴の状態を確認しながら調整したい
・使用後の状態を見ながら微調整したい

ただし、これは「どちらが優れているか」ではなく、目的の違いです。

インソールだけですべて解決するわけではありません

ここも大切です。

足の痛みやスポーツ時の不調には、

・運動量
・靴
・筋力
・関節の動き
・ケガの有無
・競技特性

など、さまざまな要因が関係します。

インソールはその中の一つの選択肢です。

必要に応じて、

靴の見直し
+ 運動
+ 身体の使い方
+ インソール

を組み合わせて考えます。

 

まとめ

インソール選びで大切なのは、

「高いものを選ぶこと」ではありません。

市販品で十分な場合もありますし、足や靴、使用目的に合わせて調整できるタイプが適している場合もあります。

現在の研究でも、カスタムメイドが既製品より常に優れているとは言えません。

だからこそ、

足の状態
+ 靴
+ 使用目的
+ 実際の使用感

を確認しながら選ぶことが大切です。

池上7丁目整骨院では、インソールだけを見るのではなく、足や普段使用している靴、スポーツシューズなども含めて状態を確認しながら考えていきます。

参考文献

・Whittaker GA, et al. Foot orthoses for plantar heel pain: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2018.
・Rasenberg N, et al. Efficacy of foot orthoses for the treatment of plantar heel pain: a systematic review and meta-analysis. Br J Sports Med. 2018.
・Reeves J, et al. A systematic review of the effect of footwear, foot orthoses and taping on lower limb muscle activity during walking and running. Prosthet Orthot Int. 2019.
・Herchenröder M, et al. Evidence for foot orthoses for adults with flatfoot: a systematic review. J Foot Ankle Res. 2021.

2026年8月24日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院

骨折はなぜ固定するの?長く固定すればいいわけではない理由

骨折すると、ギプスやシーネなどで固定することがあります。

「骨折したら、とにかく動かさない方がいい」

というイメージを持っている方も多いかもしれません。

しかし、骨折の治療では、単純に「長く固定すればするほど良い」というわけではありません。

骨折した場所や骨のずれ、骨折の形、年齢、治療方法などによって、必要な固定方法や期間は変わります。

今回は、なぜ骨折では固定が必要なのか、そしてなぜ固定期間が長ければいいわけではないのかを紹介します。

そもそも、なぜ骨折したところを固定するの?

骨折した骨は、前回の記事で紹介したように、

炎症

やわらかい仮骨

硬い仮骨

リモデリング

という過程を経ながら修復されていきます。

この修復には、骨折した部分の**「安定性」**が重要です。

骨折した部分が不安定で大きく動いてしまう状態では、新しく作られている組織にも大きな力が加わります。

固定には、骨折部の位置関係を保ち、治癒に適した力学的環境を作る役割があります。

 

「まったく動かないほど良い」とも限りません

ここが少し難しいところです。

骨折部は、

「動けば動くほど良い」でもなく、
「完全に動かないほど良い」でもありません。

実際の骨折治療では、骨折の種類に応じて求められる安定性が異なります。

骨同士をしっかり圧着して治す方法もあれば、ある程度のコントロールされた微小な動きを許容しながら仮骨形成によって治していく方法もあります。

つまり、固定の目的は、

「何が何でも動きをゼロにすること」

ではなく、

「その骨折が修復されるために必要な安定性を確保すること」

と考えた方が分かりやすいでしょう。

では、長く固定しておけば安心?

ここでも注意が必要です。

骨折部を守るために固定が必要な時期がありますが、固定すると骨折していない周囲の関節や筋肉まで動かす機会が減ることがあります。

長期間動かさないことで、関節が動かしにくくなったり、筋力が低下したりすることがあります。

そのため、現在の骨折治療では、

「骨折部を守ること」と「必要以上に身体機能を落とさないこと」

の両方を考えることが重要になります。

実際、一部の骨折では早期から適切に運動を開始した方が、短期的な機能回復に有利であることが報告されています。例えば保存療法となった上腕骨近位部骨折では、早期リハビリテーションによって初期の機能回復が良好だったというシステマティックレビューがあります。

ただし、これは**「骨折したら早く動かした方がいい」という意味ではありません。**

「いつから動かすか」は骨折によって違います

ここは非常に重要です。

早期運動について研究されている骨折はありますが、その結果をすべての骨折に当てはめることはできません。

例えば、

・どこの骨が折れたのか
・骨折が安定しているか
・ずれがあるか
・関節面に骨折が及んでいるか
・保存療法なのか手術なのか
・どのような固定をしているか

などによって判断は変わります。

足関節骨折の術後についても早期荷重による短期機能の向上を示した研究がありますが、早期運動については術後合併症との関係も報告されており、「早ければ早いほど良い」と単純化できません。

したがって、自己判断で固定を外したり、予定より早くスポーツへ戻ったりするのは避ける必要があります。

「痛くないから動かしていい」でもありません

骨折後、

「もう痛くないから大丈夫」

と思うことがあります。

しかし、前回の記事でも紹介したように、

痛みの程度と骨の修復状態は必ずしも一致しません。

痛みがかなり減っていても、骨の内部では修復が続いていることがあります。

反対に、骨がある程度修復していても、関節の硬さや筋力低下などによって痛みや違和感が残る場合もあります。

そのため、痛みだけを基準に固定終了やスポーツ復帰を判断しないことが大切です。

 

骨折後は「固定」と「運動」のバランスが大切

骨折後の考え方を簡単にまとめると、

骨折直後
→ 骨折部を守り、必要な安定性を確保する

状態が安定してきたら
→ 許可された範囲で周囲の関節などを動かしていく

さらに修復が進んだら
→ 筋力や動作を徐々に戻していく

スポーツ復帰
→ 競技に必要な負荷へ段階的に戻す

という流れになります。

ただし、実際の進め方は骨折ごとに異なります。

「骨折=○週間固定」と一律に考えるのではなく、骨折の状態と治癒経過を確認しながら進めることが重要です。

まとめ

骨折で固定をする主な目的は、骨折した部分を治癒に適した状態に保つことです。

しかし、

「固定期間が長いほど骨折に良い」

とは限りません。

骨折部を守る必要がある一方で、必要以上の固定による関節の動きや筋力への影響も考える必要があります。

大切なのは、

「しっかり固定すること」ではなく、「その骨折に必要な安定性と期間を考えること」

です。

骨折が疑われる場合には、骨折の種類やずれなどを確認するために医療機関での画像検査が必要になることがあります。

池上7丁目整骨院では、外傷の状態を確認し、骨折が疑われる場合や画像検査が必要と考えられる場合には、医療機関への受診をご案内しています。

→【前回の記事:骨折した骨はどうやってくっつく?骨が治っていく過程】

参考文献

・Beeharry MW, Ahmad B. Principles of Fracture Healing and Fixation: A Literature Review. Cureus. 2024.
・Ataei M, et al. Immobilization Period for the Non-Operative Treatment of Proximal Humerus Fractures: Systematic Review and Meta-Analysis. 2024.
・Baumbach SF, et al. Immediate weight bearing without immobilization for operatively treated ankle fractures is safe – A systematic review. Foot Ankle Surg. 2023.

2026年8月22日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院

インソールを選ぶ前に知っておきたい「靴との相性」

「インソールを入れれば、どんな靴でも同じ?」

「今履いている靴に、そのままインソールを入れて大丈夫?」

インソールを選ぶとき、インソールそのものに目が向きがちですが、実は一緒に考えたいのが**「靴との相性」**です。

どんなインソールでも、すべての靴に同じように使えるわけではありません。

今回は、インソールを使う前に知っておきたい「靴との関係」について、わかりやすく紹介します。

インソールだけを見て選ばない

インソールは、靴の中に入れて使うものです。

そのため、

「良さそうなインソールを選べばそれでOK」

というわけではありません。

靴のサイズや形、かかと周りの作り、靴の中の広さなどによって、インソールを入れたときの状態は変わります。

例えば、もともと足に対して小さい靴に厚いインソールを入れれば、さらに靴の中が狭くなることがあります。

反対に、靴自体が大きすぎれば、インソールだけでサイズの問題をすべて解決できるわけでもありません。

 

まず確認したいのは「靴のサイズ」

「いつも26cmだから今回も26cm」

という選び方をしている方も多いと思います。

しかし、同じ26cmと書かれていても、メーカーやモデルによって靴の形や幅、つま先のスペースなどは異なります。

また、

「足の実際の長さ=そのまま靴のサイズ」

でもありません。

つま先にはある程度の余裕が必要ですし、幅や甲の高さなども関係します。

そのため、インソールを考える前に、そもそも今履いている靴が足に合っているかを確認することが大切です。

インソールを入れたら靴がきつくなった?

これは比較的よく起こります。

特に、もともとの中敷きの上から新しいインソールを重ねてしまうと、その分だけ靴の中が狭くなります。

インソールによって使い方は異なりますが、もともとの中敷きを取り外して交換するタイプもあります。

新しいインソールを入れたあとには、

・つま先が当たらないか
・足の甲が圧迫されていないか
・かかとが必要以上に浮かないか
・歩いたときに違和感がないか

なども確認します。

 

普段履きとスポーツシューズは同じ?

これも分けて考えた方がいいでしょう。

普段の歩行と、ランニングやバスケットボール、サッカーなどでは、足に加わる力や動きが異なります。

さらにスポーツシューズは、競技によって靴そのものの構造も違います。

そのため、

「このインソールが良かったから、すべての靴に同じものを入れる」

と単純に考えるのではなく、何に使う靴なのかも考える必要があります。

「土踏まずが高い方がいい」とは限りません

インソールというと、

「土踏まずをしっかり持ち上げた方がいい」

というイメージもあるかもしれません。

しかし、アーチの高さだけでインソールの良し悪しを判断することはできません。

足の形や症状、靴、使用する場面などによって条件が違うからです。

また、インソールは足の形そのものを治す万能な道具ではありません。

足や身体にかかる力、靴の中での足の動きなどを考える際の選択肢の一つとして考える方が適切です。

インソールだけですべて解決するわけではありません

足に痛みがあると、

「インソールを入れれば大丈夫」

と思ってしまうこともあります。

しかし、足のトラブルには、靴だけでなく、運動量、身体の使い方、筋力、関節の動きなど、さまざまな要素が関係する場合があります。

そのため、

足 → 靴 → インソール → 動き

をまとめて考えることが大切です。

インソールだけに頼るのではなく、「なぜそのインソールを使うのか」を考えて選びましょう。

まとめ

インソールを選ぶときは、インソールだけを見るのではなく、靴との相性を確認することが大切です。

特に、

靴のサイズは合っているか
インソールを入れて窮屈になっていないか
靴の用途に合っているか
歩いたり走ったりしたときに違和感がないか

などを確認してみましょう。

「高いインソールだから良い」「土踏まずを高くすれば良い」という単純なものではありません。

まず足と靴の状態を確認し、そのうえでインソールが必要なのか、どのようなものが合うのかを考えていくことが大切です。

池上7丁目整骨院では、足の状態だけでなく、普段使用している靴やスポーツシューズなども確認しながら、足・靴・インソールについて一緒に考えていきます。

→【関連記事:扁平足について】
→【関連記事:足の痛みについて】

参考文献

・Mündermann A, et al. Footwear comfort: a systematic search and narrative synthesis of the literature. 2021.
・Reeves J, et al. A systematic review of the effect of footwear, foot orthoses and taping on lower limb muscle activity during walking and running. Prosthet Orthot Int. 2019;43(6):576-596.
・Aboutorabi A, et al. A systematic review of the effect of foot orthoses and shoe characteristics on balance in healthy older subjects. Prosthet Orthot Int. 2016;40(2):170-181.

2026年8月21日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院

骨折した骨はどうやってくっつく?骨が治っていく過程をわかりやすく解説

「骨折した骨って、どうやって元に戻るんだろう?」

骨折するとギプスや固定具などで固定することがありますが、固定そのものが骨を作っているわけではありません。

私たちの身体には、骨折した部分を修復していく仕組みがあります。

今回は、骨折してから骨が修復されていくまでに、身体の中で何が起こっているのかを簡単に説明します。

骨は少しずつ修復されていきます

一般的な骨折の治癒過程は、大きく4つに分けて説明できます。

① 骨折直後:血が集まり、修復の準備が始まる

② やわらかい仮骨ができる

③ 硬い仮骨へ変わっていく

④ 時間をかけて骨が作り直される

ただし、この4段階が「今日から②」「明日から③」のようにはっきり切り替わるわけではありません。

実際には、それぞれの過程が重なりながら進んでいきます。

 

① 骨折直後 ― まず修復の準備が始まります

骨が折れると、骨の周りにある血管なども傷つき、骨折した部分に出血が起こります。

そこに血液が集まり、**血腫(けっしゅ)**と呼ばれる血のかたまりができます。

そして炎症反応が起こり、傷ついた組織を処理したり、修復に必要な細胞を集めたりする働きが始まります。

つまり、骨折直後の炎症も、骨が修復されていくための大切な過程の一つです。

② 骨折した部分をつなぐ「仮骨」が作られます

次に、折れた骨と骨の間をつなぐように新しい組織が作られていきます。

最初から元の骨と同じ硬さの骨ができるわけではありません。

まずは比較的やわらかい組織が作られます。

これを**軟性仮骨(なんせいかこつ)**と呼びます。

簡単にいうと、

「折れた骨同士をつなぐための仮の橋」

のようなものです。

③ 仮骨がだんだん硬くなります

その後、やわらかかった仮骨が石灰化し、徐々に硬い骨へ置き換えられていきます。

これを**硬性仮骨(こうせいかこつ)**と呼びます。

骨折した部分が少しずつ安定していく重要な時期です。

ただし、ここで重要なのが、

「痛くなくなった=骨が完全に元通り」ではない

ということです。

痛みが少なくなっていても、骨の中ではまだ修復が続いていることがあります。

自己判断で急にスポーツへ戻ったり、強い負荷をかけたりするのではなく、骨折した場所や状態に合わせて復帰を考える必要があります。

④ 最後は時間をかけて骨を作り直します

硬い仮骨ができたら、それですべて終了ではありません。

身体はその後も、余分な骨を吸収したり、新しい骨を作ったりしながら、少しずつ骨の形や構造を整えていきます。

この過程を**リモデリング(骨の作り直し)**といいます。

リモデリングは長期間続き、骨折によっては数か月から年単位で進むことがあります。

 

骨折はみんな同じ期間で治る?

「骨折って何週間で治りますか?」

よくある疑問ですが、すべての骨折に共通する期間はありません。

治癒までの経過は、

骨折した場所、骨折の形、ずれの程度、血流、年齢、固定や手術方法、全身状態などによって変わります。

また、喫煙は骨折後の癒合不全との関連が報告されています。大規模なシステマティックレビュー・メタ解析でも、喫煙者では非喫煙者より骨癒合しない「偽関節」の割合が高いことが報告されています。

そのため、

「○週間たったからもう大丈夫」

と期間だけで判断するのではなく、骨折の状態や経過を確認することが重要です。

なぜ骨折では固定するの?

ここまで読むと、

「身体が自分で骨を作ってくれるなら、どうして固定するの?」

と思うかもしれません。

骨が修復されていくためには、骨折部にとって適切な安定性が重要だからです。骨折部に加わる力や動きは、仮骨形成を含む治癒過程に影響します。

ただし、

「動かさなければ動かさないほど良い」わけでもありません。

必要な固定方法や期間は骨折によって異なります。

この話は少し長くなるので、次回の骨折シリーズで、

「骨折はなぜ固定するの?固定期間が長ければいいわけではない理由」

として詳しく紹介します。

まとめ

骨折した骨は、いきなり元通りになるわけではありません。

出血・炎症

やわらかい仮骨

硬い仮骨

リモデリング

という流れを中心に、身体の中で少しずつ修復されていきます。これらは完全に独立した段階ではなく、互いに重なりながら進みます。

そして覚えておきたいのが、

「痛みが減ったこと」と「骨が十分に修復されたこと」は必ずしも同じではない

ということです。

骨折した場所や状態によって経過は異なるため、スポーツや運動への復帰についても個別に判断する必要があります。

池上7丁目整骨院では、外傷の状態や経過を確認し、骨折が疑われる場合や画像検査などが必要と考えられる場合には、医療機関への受診をご案内しています。

参考文献

・Schindeler A, et al. Bone remodeling during fracture repair: The cellular picture. Semin Cell Dev Biol. 2008.
・Maruyama M, et al. Modulation of the Inflammatory Response and Bone Healing. Front Endocrinol. 2020.
・Principles of Fracture Healing and Fixation: A Literature Review. 2024.
・Xu B, et al. The influence of smoking and alcohol on bone healing: systematic review and meta-analysis. eClinicalMedicine. 2021.

2026年8月19日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院

座っているだけなのに腰が痛い?長時間のデスクワークと腰痛の関係

仕事で長時間パソコンを使っていると、

「夕方になると腰が重い」
「座っている方が腰がつらい」
「立ち上がるときに腰が固まった感じがする」

ということはありませんか?

デスクワークで腰が痛くなると、

「姿勢が悪いから腰が痛くなったのかな?」

と思う方も多いかもしれません。

しかし、腰痛はそれほど単純ではありません。

「姿勢が悪い=腰痛」ではありません

猫背になっているから腰痛になる。

骨盤が後ろに傾いているから腰痛になる。

このように説明されることがありますが、特定の姿勢だけを腰痛の原因と決めつけることはできません。

腰痛には、身体活動、仕事の環境、睡眠、心理的なストレスなど、さまざまな要因が関係します。

そのため、

「正しい姿勢をずっと維持すれば腰痛にならない」

というわけでもありません。

むしろ、仕事中に一つの姿勢を長時間続けていることにも目を向ける必要があります。

 

大切なのは「良い姿勢」より「姿勢を変えること」

背筋を伸ばして座っていても、その姿勢を何時間も続けていれば身体は疲れてきます。

逆に、少しくらい猫背になったからといって、それだけで腰を悪くするとは限りません。

そこで意識したいのが、

「同じ姿勢を続けすぎない」

ということです。

例えば仕事中でも、

・一度立ち上がる
・少し歩く
・座り方を変える
・軽く身体を動かす

といった方法があります。

「ずっと完璧な姿勢で座る」ことを目指すより、こまめに姿勢や動きを変えるという考え方です。

30分?1時間?どのくらいで立てばいい?

「何分ごとに立てばいいですか?」

これもよくある疑問です。

ここは、必ず○分ごとに立てば腰痛を防げる、とまでは言えません。

ただ、長時間座り続ける生活では、座っている時間を中断して身体を動かすことが健康面から推奨されています。

仕事の状況にもよりますが、

30~60分程度を目安に、一度立ったり少し身体を動かしたりする

くらいから始めると実践しやすいでしょう。

電話をするときに立つ、コピーを取りに行く、飲み物を取りに行くなどでも構いません。

 

腰が痛いときは動かない方がいい?

腰が痛いと、

「できるだけ動かさない方がいい」

と思ってしまうことがあります。

もちろん、強い痛みがある場合などは無理をする必要はありません。

一方、一般的な腰痛では、長期間安静にするよりも、できる範囲で日常生活や身体活動を続けることが現在の腰痛ガイドラインでも推奨されています。

いきなり激しい運動をする必要はありません。

まずは、

「座りっぱなしの時間を少し減らす」
「短い距離を歩く」
「できる範囲で普段の生活を続ける」

などから考えてみましょう。

腰痛だけではない症状がある場合は注意

デスクワーク中の腰痛でも、すべてを「座りすぎ」と考えるのは適切ではありません。

特に、

  • 足に強いしびれや痛みがある
  • 足に力が入りにくい
  • 症状が急激に悪化している
  • 発熱など腰痛以外の症状もある
  • 排尿・排便に異常がある

などの場合には、医療機関への相談が必要になることがあります。

まとめ

デスクワークで腰が痛くなると、「姿勢が悪いから」と考えがちです。

しかし、

猫背=腰痛

のように、一つの姿勢だけで腰痛の原因を説明することはできません。

それよりも、

同じ姿勢を長時間続けすぎないこと。

仕事の合間に立つ、歩く、座り方を変えるなど、少しずつ身体を動かす習慣を取り入れてみてください。

池上7丁目整骨院では、腰の痛みについて、痛む場所や動作、日常生活や仕事での身体の使い方などを確認しながら状態をみていきます。必要に応じて医療機関への受診をご案内する場合もあります。

参考文献

・World Health Organization. WHO guideline for non-surgical management of chronic primary low back pain in adults in primary and community care settings. 2023.
・George SZ, et al. Interventions for the Management of Acute and Chronic Low Back Pain: Revision 2021. J Orthop Sports Phys Ther. 2021;51(11):CPG1-CPG60.
・Swain CTV, et al. No consensus on causality of spine postures or physical exposure and low back pain: A systematic review of systematic reviews. J Biomech. 2020;102:109312.

2026年8月16日 | カテゴリー : 未分類 | 投稿者 : 池上7丁目整骨院