スポーツをしていると、よく起こる「突き指」。
バスケットボールやバレーボール、野球などで、
「ボールが指先に当たった」
「指をぶつけた」
「指が反対側にグキッと反った」
こんな経験がある方も多いと思います。
そのとき、
「ただの突き指だから大丈夫」
「少し腫れているけど、そのうち治るだろう」
と思って、そのままにしてしまうこともあります。
しかし、実は**「突き指」という名前のケガがあるわけではありません。**
指に強い力が加わった結果として起こる、いろいろなケガをまとめて「突き指」と呼んでいます。
突き指では何を痛めるの?
突き指では、特に指の真ん中の関節を痛めることがよくあります。
医学的には「PIP関節」と呼ばれる部分です。
この関節の周りには、骨だけでなく、
・関節を支えている靱帯
・関節が反りすぎるのを防ぐ組織
・指を曲げ伸ばしする腱
などがあります。
そのため、一見同じ突き指でも、
軽い捻挫だけの場合もあれば、靱帯の損傷、骨折、脱臼、腱の損傷などが起きている場合もあります。

指が動くから骨折していない?
これはよくある勘違いです。
「骨折していたら指なんて動かせないでしょ?」
と思われるかもしれません。
ところが、小さな骨折では指を動かせることがあります。
逆に骨折がなくても、靱帯や腱などを傷めて、腫れや痛みが強く出ることもあります。
そのため、
「動かせるから大丈夫」だけでは判断できません。
こんな突き指は注意
特に確認したいのは、
- 腫れが強い
- 内出血している
- 押すと一か所だけ強く痛い
- 指の形がいつもと違う
- 指を最後まで伸ばせない
- 指を最後まで曲げられない
- 数日経っても痛みや腫れが強い
といった場合です。
こうした症状がある場合には、単純な突き指だと思い込まず、状態を確認した方がよいでしょう。

突き指したら引っ張ればいい?
昔から、
「突き指したら指を引っ張る」
と聞いたことがある方もいると思います。
しかし、自己判断で強く引っ張るのはおすすめできません。
なぜなら、骨折や脱臼などが起きている可能性があるからです。
何を痛めているのか分からない状態で無理に引っ張ったり、何度も曲げ伸ばししたりするのは避けた方がよいでしょう。
ずっと固定しておけばいい?
これも少し注意が必要です。
もちろん、ケガによってはしっかり固定する必要があります。
しかし、指の真ん中の関節は、長い間動かさないことで硬くなりやすい場所でもあります。
そのため、
「とりあえず長く固定しておけば安心」
というわけでもありません。
どこを痛めているのか、関節が安定しているのかなどによって、固定の方法や期間、動かし始める時期が変わります。
子どもの突き指も注意しましょう
子どものスポーツでも突き指はよくあります。
特にバスケットボール、バレーボール、野球などでは珍しくありません。
子どもは、
「まだ動かせる」
「試合に出たい」
「そんなに痛くない」
と言うこともあります。
しかし、それだけで軽いケガとは判断できません。
腫れや痛みが強かったり、指の形や動きがおかしかったりする場合には、きちんと状態を確認することが大切です。
「ただの突き指」と決めつけないことが大切
突き指の中には、本当に軽いものもあります。
一方で、
骨折・脱臼・靱帯損傷・腱損傷
などが隠れていることもあります。
大切なのは、
「突き指だから大丈夫」と最初から決めつけないこと。
特に、強い腫れや変形、指を伸ばせない・曲げられないなどの症状がある場合には注意が必要です。
池上7丁目整骨院では、手や指のケガについて状態を確認し、骨折や脱臼などが疑われ、レントゲンなどの画像検査が必要と考えられる場合には医療機関への受診をご案内しています。
次回は、突き指で痛めることが多い
「指の真ん中の関節(PIP関節)のケガ」
について、もう少し詳しく紹介します。
参考文献
・稲葉尚人ほか:PIP関節脱臼骨折.臨床スポーツ医学 35巻3号,2018.
・British Society for Surgery of the Hand:Volar plate injury
・Common Finger Fractures and Dislocations. American Family Physician, 2022.







